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随筆というよりは啓蒙書のところに並べたいような本です。
荷物は軽いほど遠くへ行ける軽いほど高くのぼれる、そんなことがいろんな角度から書かれています。あまりにも直接的で機能的で、なんというのかな、ちょっと授業みたいです。先生みたいになっちゃった。もっとふんわりとゆるやかに「ぼくはこう思うんだよ」ってかさかさいう落ち葉を踏みながら一緒に歩きたかったのに、という感覚がしました。そんな中でわたしは次のふたつのことがらをポケットに入れました。というか、もうすでに入っていたものを頑丈に補強してもらいました。 『「足ることを知る」という、本当の満足を知りたい気持ちもあり、僕はむやみにモノを買わないと決めたのだ。僕の所有欲が薄いのは「心の中で、もっていればいい」と知ったためでもある』 あるもので生きていく、少し前にこの言葉に出会ってからなんだかけっこう清々しくなりました。「足ることを知る」とはなんて気持ちがいいのでしょう。心の中でもっていればいい、視界が晴れます。 『どんな仕事や立場でも「初々しさ」は必要だ。若さと初々しさはイコールではない。(中略)「初々しさを忘れたらおしまいだ」と僕は思っている。決して手放してはならないものは初々しさだと、自分にときどき念を押す』 わたしがこのところ思っている「鮮度」のことは「初々しさ」と意味を同じくするものかもしれません。アンテナを鈍らせてはだめです。
by machi_z
| 2008-12-09 00:10
| book
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